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最高裁判所第一小法廷 昭和25年(さ)35号 判決 1950年11月30日

主文

本件非常上告を棄却する。

理由

検事総長福井盛太の非常上告趣意について。

非常上告は、法令の解釈適用の統一を目的とするものであるから、その申立が法律命令の解釈に誤があるというのでなく、単に法令の適用される前提事実の誤認によって適用してはならない法令を適用したとの主張は刑訴四五四条にいわゆる「事件の審判が法令に違反したこと」の主張にあたらないと解すべきことは当裁判所昭和二五年(さ)第三六号同年一一月八日大法廷判決の趣旨とするところである。ところで本件申立は、原確定決定は期間内に適法な控訴趣意書が提出されていたのを提出されていないものと誤認して刑訴三八六条一項一号を適用したというのであって、何等同条号の規定の解釈に誤があるというのでないから非常上告適法の理由とすることはできない。

よって刑訴四五七条に従い裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 沢田竹治郎 裁判官 斎藤悠輔 裁判官 岩松三郎)

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